防犯対策情報

大阪府優良防犯カメラシステムの性能及び設置基準(提案)

[制定の趣旨]

最近、犯罪抑止効果を期待した街頭防犯カメラの設置が増えているが、具体的な基準がないため、映像が映っていなかったり、画像がぼけているため事後の捜査に活用できなかったり、個人のプライバシーを侵害する問題がある等、その性能や設置及び運用のあり方が問題視されている。当協会として、 公益社団法人日本防犯設備協会の優良防犯機器認定制度(RBSS)の基準を参考として「大阪府優良街頭防犯カメラシステムの性能及び設置・運用基準」を示し、効果的な街頭防犯カメラの設置を促進し、犯罪抑止効果のみならず犯罪捜査等に役立つ鮮明な画像を得ることにより、安全なまちづくりに貢献するとともに、その運用にあたり個人のプライバシーが侵害されないよう最大の配慮をしようとするものである。

はじめに
この基準の対象とする防犯カメラシステムは、犯罪や一般社会の秩序違反の発生を防止することを目的として、不特定多数の人が自由に往来する道路、公園その他の場所に設置される街頭防犯カメラシステム(防犯カメラ及び記録装置(デジタルレコーダーなど)等で構成されたシステム)で、常時撮影画像をモニタリングしているものを除く設備(以下「防犯カメラシステム」という。)とする。

1 防犯カメラシステムの性能
(1)防犯カメラの性能
防犯カメラの性能については、次の性能基準等に合致していること。
① 使用するカメラ:デイナイト機能付のカラーカメラであること。
② 有効画素数(※1):38万画素以上(水平解像度を470TV本以上ネットワークカメラやHD-SDIカメラについては100万画素以上)、水平解像度を470TV本(※2)以上とし、鮮明な画像(※3)が得られる性能であること。
※1 画素数とはCCD内に映像を取り込む最小単位で、画素数が多いほど1つの画像を細やかに構成するため、映像は細部まで鮮明に捉えることができる。
※2 水平解像度の数値が大きいほど高画質の映像が得られ、画像もシャープになる
※3 鮮明な画像とは、録画した画像を再生したとき画像のなかの映像が識別できるもの(※)であること。
※ 公益法人日本防犯設備協会が録画した画像の鮮明さを判断するために開発した「防犯映像システム評価用チャートを使用し、確認することが望ましい。
③ 画角の調整:現場に設置されたカメラが、光学的に画角(※4)調整ができる機能(※5)を有すること。
※4 モニタテレビに映る上下の範囲が、それぞれ撮影する目的に合わせて、次表のように4種類の画角を設定している。従って、画角Cの場合は胸から上(バストショット)、画角Bの場合は全身、画角Aの場合は画面の1/2に人物の全身、画角A25の場合は画面の1/3に人物の全身が映るよう配慮すること。
※5 人物までの距離を一定とした場合、画角Bのでは焦点距離(f)をSmmとすると、画角Cの場合は焦点距離(f)=2Sとなり、設置された場所でその目的にあった画角を得るためには最低焦点距離比(可変倍率)2倍以上が必要である。
防犯カメラ及びデジタルレコーダの性能については、(社)日本防犯設備協会の優良防犯機器認定制度(RBSS)が定める次の性能基準等に合致していること。

設置目的と画角

   クリックで拡大します。図の中の「画角AA]を「画角A25」の改める設置目的と画角

  クリックで拡大します。図の中の「画角AA]を「画角A25」の改める。

※出典:(社)日本防犯設備協会
④ 逆光対策:逆光を受ける設置環境での撮影の場合、逆光補正機能(※6)を有すること。※6 CCDのダイナミックレンジが狭いために、明暗差の大きい場所では、画像が白飛びや黒潰れが起こる。ワイドダイナミック型カメラは、高速と低速の電子シャッターで撮影した画像を自動的に合成して、ダイナミックレンジを拡大した画像を得ることができる。
⑤ 夜間の録画:夜間の録画も可能とするため、低照度の環境にも対応できるようデイナイト機能(※7)を有し、最低被写体照度が屋外で0.5ルクス(※8)以下に対応できること。被写体照度が不足している場合は、赤外線照明部を内蔵または外付けしていることが望ましい。(防犯灯などで、設置するカメラの性能以上の被写体照度が確保できる場合はこの限りではない。)
※7 暗くなると赤外線をカットする機能を外し、赤外線を取り入れて感度を上げることにより、屋外照度基準以下でも撮影できるカメラ。昼間はカラー撮影し、暗くなると白黒撮影をする(赤外光対応レンズが必要である)。
※8 街頭照明の推奨照度(街路中心線上で路面からの高さ1.5m)の鉛直面照度0.5ルクス(水平面の平均照度3ルクス)あれば色の識別まではできないまでも「4m先の歩行者の顔の向きや挙動姿勢がわかる」の要件がクリアーできる。
⑥ 被写体深度:被写体深度の関係で昼間調整したものが夜間になるとピンぼけになる場合がある。そのために、昼間に調整する場合、減光(ND)フィルターを使用し擬似的に夜間の状況を再現
(例:ND8を3枚使用すると昼間1000lxの場合1/512の約2lxの夜間撮影環境になる)し、調整することが必要である。
⑦ 屋外設置:防犯カメラを屋外に設置する場合は、屋外用ハウジングに収納し、容易に破壊されない構造で、屋外での熱対策等(IP66と同等の性能を有するもの。)に耐える構造(※9)であること。
※9 対塵形:粉塵が内部に侵入しない。波浪に対する保護:波浪またはいかなる方向からの水の強い直接噴流によって有害な影響を受けない。
⑧ 停電時対策:使用する防犯カメラは、停電から復電の時は自動的に停電前の状態に復旧するものであること。
(2)記録装置の性能
ア アナログカメラ対応及びHD-SDIやネットワーク対応の記録装置の性能
アナログカメラ対応の記録装置(デジタルレコーダーなど以下同じ)の性能とネットワーク対応の記録装置(ネットワークレコーダー以下同じ)の性能については、次の性能基準に合致していること。
① カメラの画像は、それぞれの記録装置に自動的に録画するものとし、原則として、モニタリングは行わないこと。
② 平均故障間隔(MTBF):故障から次の故障までの平均的な間隔が3万時間(3年5ヶ月)以上とし、5回の電源断に耐えること。
③ デジタルレコーダーに使用されているHDDの平均寿命は30,000時間なので、約3年ごとに交換すること。
④ 鮮明な画像の確保:有効画素数は38万画素以上(ただし、ネットワークカメラについては32万画素以上)、水平解像度470TV本以上が確できること。
⑤ 必要コマ数の確保:動きのあるシーンやカメラを横切る歩行者の状況を確実に録画するために、記録レートとして、全チャンネルが1秒4コマ以上の記録が可能であること。
⑥ 記録容量の確保:上記条件のもと、最低限1週間以上の記録が可能な記録容量(ハードデスク容量)を装備(※10-1アナログ、※10-2ネットワーク)すること。
※10-1 アナログカメラ(静止画)での必要な記録容量は目安として、1コマ約32KBなので、1週間分で約20GB必要である。従って、4コマ/秒で1週間以上記録するためには、約80GB必要となる。(動画圧縮の場合は圧縮方式により記録容量が異なるので注意をすること。)
※10-2 ネットワークカメラ(動画)では必要な記録容量の目安としてMPEG-4/H.264、高解像度(VGA)で1コマ当たり約34KB(昼夜や動きにより変動)で1週間分で約21GB必要である。従って、4コマ/秒で1週間以上記録するためには、約84GB必要となる。(必要記録容量は各メーカーにより異なるのでメーカーの資料で確認のこと。
※10-3 HD-SDIカメラ(動画)では必要な記録容量の目安としてMPEG-4/H.264、高解像度で1コマ当たり約34KB(昼夜や動きにより変動)で1週間分で約21GB必要である。従って、4コマ/秒で1週間以上記録するためには、約84GB必要となる。(必要記録容量は各メーカーにより異なるのでメーカーの資料で確認のこと。)
⑦ 記録媒体の増設機能:映像保存期間の延長や記録密度・画質を向上するために記録媒体を増設できる手段を有することが望ましい。
⑧ 時刻補正機能:内蔵及び外部の時刻補正装置との連携等で、デジタルレコーダーなどの日時と日本標準時との誤差が常に±30秒以内の精度を満足する日時修正機能を有することが望ましい。
⑨ 異常時出力機能:ビデオロスや記録装置の異常など、機器の異常を出力する機能(※11)を有すること。
※11 外部出力を有し、ランプ表示等や電話回線等で設置管理者に知らせる機能。
⑩ 記録の取り出し:防犯カメラの記録装置に記録された画像については、記録装置やパソコンからUSBメモリーなどの媒体で取り出し可能なもので、その閲覧についても特殊なソフトのインストール等が必要なく、一般パソコン環境で閲覧可能であること。なお、法令に基づくなど定められた開示事由で以外では閲覧できないように、設置管理者においてセキュリティ機能を付加するものとし、画像検出データにおいては年月日、時刻が確認できること。
⑪ 記録装置を設置する場合、鍵のかかる場所に設置し、画像の閲覧、機器等の盗難や紛失がないよう配慮すること。特に屋外に設置する場合は、鍵のかかる屋外用熱対策制御盤に収納し、当該制御盤は、直射日光による内部温度上昇を抑え、冬季は内部温度下降を抑える構造(制御盤内には、ルーバー、排熱ファン(換気扇)、ヒーターを設置するとともに、サーモスタットなどを設置し、内部温度が上限30.0℃以上、下限が5.0℃以下なったとき作動するように設定できるもの)であること。
⑫ 停電時対策:使用する記録装置は、停電から復電の時に、停電前の状態に自動的に復旧するものであること。
イ 記録一体型屋外用防犯カメラの記録装置の性能
ここにいう「記録一体型屋外用防犯カメラシステム」とは、防犯カメラ及び記憶装置が同一のハウジング内に収容されているもので、この基準の対象となる街頭防犯カメラシステムをいう。  記録一体型屋外用防犯カメラの記録装置については、次の性能基準に合致していること。
① 記録装置及び記録媒体は破壊される恐れのないよう、防犯カメラと同一ハウジング内に収納すること。ハウジングは年間を通じて温度等の環境の変化に耐える調整機能を有し、カバー部分は衝撃耐性高い精度を有していること。
② 記録一体型屋外用防犯カメラの映像は、記録装置内部に設置されたSSDやSDカードなどの記録媒体に保存できること。
③ 記録装置は、高解像度で1秒4コマ以上の設定において1週間以上保存(※12)できること。                                        ※12 記録一体型屋外用防犯カメラ(動画)での必要な記録容量の目安として、MPEG-4 AVC/H.264、高解像度(1280×960以上)、で記録できること。(記録一体型屋外用防犯カメラにおいては録画方式など異なるのでメーカーの資料などで確認の上、記録媒体の容量(1週間以上の記録)を決定し使用すること)。
④ 録画データは、古いものから順次上書き保存できること。
⑤ 録画データは、記録装置内の記録媒体を入れ替えることにより、取り出すことができること。ただし、第三者が容易に入れ替えることができないよう鍵付きにすること。
⑥ 記録媒体を抜き出すことなく映像データの閲覧ができる構造の記録装置については、外部にパソコンを接続できる端子を設置するか、又は無線LANで映像データをコピーできる機能を有すること。無線LANなどで映像データの取り出しを行う場合は、セキュリティで保護し、SSIDとプリシェアードキー(WPA2-PSK(AES)など)を入力しなければ取り出せない様にするなど、第三者が容易に記録装置を操作できない機能を有すること。
⑦ 映像データはパスワードの入力や暗号化等により、第三者が容易に再生・編集できない機能を有していること。
⑧ 記録装置の故障及びエラーが発生し、録画が停止した場合には、そのことを容易に視認できるランプ表示を有し、かつ、そのことを外部に告知する警報器等を接続できる端子を有すること。
⑨ 停電からの復電時には、停電前の状態に自動的に復旧する機能を有すること。
⑩ 設定時刻の誤差は1年間で3分以内の性能を有すること。

2 防犯カメラの設置にあたって配慮すべき事項
(1)防犯カメラ設置目的の確認
カメラの設置の依頼を受けた場合は、設置又は運用する者(以下「設置者等」という)から、防犯カメラの設置が、犯罪、災害又は事故を防止するなど公益目的であることを確認すること。
(2)撮影範囲及び設置場所
設置にあたっては、犯罪の防止などの設置目的の実現のため必要とされる撮影範囲を設定のうえ、カメラを設置する場所、照度、台数、視野、画角などの撮影条件を定め、可能な限り私的空間を記録しないように工夫すること。(昼と夜の評価チャートの撮影で目的の画像記録の確保を確認する。)
(3)設置の表示
設置者等は撮影区域またはその周辺に見やすい場所に、防犯カメラを設置していること、その画像を録画していること及び設置者等の名称、問い合わせ先を判りやすく表示すること。
(4)官公庁の許認可
防犯カメラ設置について、関係官庁や所有者の許認可を必要とされている場合(※13)はその手続きを完了していること。 ※13 防犯カメラ及び付属機器の取り付け位置は、車道で4.5m以上、歩道で2.5m以上とする規制がある。
(5)防犯カメラシステムの保守点検
設置機器の定期点検年1回以上のメンテナンス契約を結び、また、設置者等からの依頼による機器補修は迅速に対応するなど、常に防犯カメラシステムが正常に稼働しているよう努めること。
(6)記録異常表示
特に、記録装置を屋外に設置したときの記録装置異常時、録画ができない状態になった時、ランプ表示等で外部から異常が確認できること。3 防犯カメラシステムの管理及び運用に当たって配慮すべき事項 
防犯カメラ等の設置を行った場合、設置者等関係者に対し、防犯カメラシステムの管理・運用が適正に行われるよう 次の事項について助言を行うこと。
(1)管理責任者の指定
管理・運用に責任を持つ管理責任者を指定し、防犯カメラに関わる機器の操作及び画像の視聴(提供する場合を含む。以下同じ)は原則として管理責任者立会のもとで行うこと。
(2)防犯カメラ設置・運用規程の制定
管理責任者は、市町村等が定める「防犯カメラの運用等に関するガイドライン」等に基づき、当該防犯カメラの設置・運用に関わる規程(以下「防犯カメラ設置・運用規程」という。)を制定し、関係者に周知徹底すること。
(3)画像の適正な管理及び提供の制限
○ 画像の視聴依頼については、防犯カメラ設置・運用規程の定めるところに従い対応し、第3者に対する画像の視聴は、次の場合を除き行わないこと。
① 法令の基づく場合
② 捜査機関から犯罪や事故の捜査の目的で提供の要請を書面で受けた場合
③ 個人の生命・身体・財産の安全を守るため、緊急かつやむを得ない場合
④ その他設置目的からは判断してやむを得ないと考えられる場合
(4) 秘密の保持
設置者等、管理責任者及び当該防犯カメラに関わる機器の操作及び画像の視聴に当たる者は、カメラの画像から知り得た個人に関する情報を漏らさないこと。以上